会陰ヘルニア
Medical
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会陰ヘルニア
Medical
会陰ヘルニアとは
会陰ヘルニアとは骨盤隔膜の筋組織がうすくなったり、欠損することで直腸の便が過剰に溜まってしまったり、腸や膀胱など腹腔内の臓器が皮下にヘルニアをおこすことです。重症度も症例により様々で早急な対応が必要な場合もあります。
症状
会陰ヘルニアは中高齢の未去勢の雄犬に多い病気です。
当院には排便時のしぶりや、肛門まわりが腫れてきたという主訴で来院されることが多いです。
治療法
治療法は内科治療では食事の変更やお薬で便を軟らかくしますが、治療成績は不良なため、臨床的な問題を解決するには外科手術が必要になります。また予防としては若いうちに去勢手術をすることです。
外科治療の方法は外科医によって様々で、筋肉を寄せて縫合したり、メッシュという人工物を移植してヘルニアを整復したりします。手術の再発率は文献によって異なりますが10−40%と比較的高いことが示されています。
また去勢していない犬では手術後も再発率が高いため、同時に去勢手術もすることをおすすめします。
当院での症例を紹介します。
<実際の症例>
11歳、未去勢オス、パピヨン
最近、食欲が低下しており、便が出にくく、排便時にしぶりがあり、おしりが腫れているという主訴で来院されました。
左右の臀部が腫れており、レントゲン検査、超音波検査にて確認したところ、会陰ヘルニアを生じていることが分かりました。ヘルニア内容物は多数の嚢胞で中には液体が溜まっていました。
この症例は腹腔内と臀部の嚢胞を除去し、ヘルニア孔を閉鎖しました。
術後、排便はスムーズにおこなわれ、しぶりも消失しました。その後無事に退院し、現在まで再発は認められていません。
この子は一般的な会陰ヘルニアとは異なりヘルニア内容物が嚢胞という珍しいタイプの症例でした。
お尻が腫れていたり、便が出づらいといった症状があれば、一度ご相談ください。